第34回定期総会・医療講演会 終了しました ②
第34回定期総会後2024年6月29日(土)13時30分~医療講演会を開催いたしました。
国立病院機構 柳井医療センター院長 宮地隆史先生 をお迎えし、「~皆で学ぼう~難病患者の災害対策」と題して、講演いただきました。
講演後、能登半島地震で被災された脊髄小脳変性症・多系統萎縮症 石川患者会の松本蘭さんに被災時の体験談をいただきました。
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【医療講演会報告】 広島難病団体連絡協議会 事務局長 羽原 邦子
2023年6月29日(土)広島県健康福祉センター2階 総合研修室にて、国立病院機構柳井医療センター院長宮地隆史先生より、「~皆で学ぼう~難病患者の災害対策」題してご講演を頂きました。
講演会はハイブリッド開催で行われました。会場参加者よりもオンライン参加者の方が多く、オンラインは遠く、北海道から九州までの,脊髄小脳変性症地方患者会、行政関係者、患者ご家族、医療関係者、その他専門職の方々に40名近く、ご参加頂きました。
宮地先生のご講演では参加されたすべの方に伝わるように「災害時の難病患者対策の必要性」を話してくださり、難病患者それぞれの特性に配慮した独自の対策が必要と話されました。また、私たち難病患者にできる、備え、災害時対策をわかりやすくお話くださいました。
私達は平時より自助、共助、公助について考え、災害時個別避難計画作成を作成することが重要です。神経筋疾患を含め難病患者さんは、避難する際や避難所で支援が必要な方が多いので避難計画作成にあたり、自治体、保健所、医療、福祉従事者、地域住民とともに作成することが必要です。
会場からの質問で避難支援者確保の問題がありましたが、当事者が自分の状況を発信することが重要で、地域とつながりながら民生員さんをはじめ地域が一体となり考えていく必要があると思われます。ちょうど、呉市、安芸郡坂町で個別避難計画を作成されている行政の方の参加もあり、一人で孤立しないように、一人一人の環境、状況に応じた個別避難計画、地域とのつながりの大切さを改めて感じました。
宮地先生のご講演後、能登半島地震で被災された脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、石川患者会の松本蘭さんに被災時の体験談をお話頂きました。
石川患者会の松本さんからは、能登半島地震での「被災体験からみえてきた防災とは?」「地震後の難病患者会の取り組み」等を難病患者目線で、詳しく丁寧にお話頂きました。
松本さんが被災後、患者会の皆さんに聞き取りされた話によると、避難所でのトイレの問題、近くの福祉避難所が地震より3週間後に開設され全く機能しなかったことが一番困った事と話されたそうです。また、1月の寒い時期に困った点から、できるだけ防災グッズの中に靴下、カイロを追加し、靴の準備の大切さを話されました。
お二人方のお話の中で共通にあった停電時のEV車からの給電については、最近になって注目され始めたことです。以前は電動車から医療機器の給電は控えるように国から指示があったそうですが、2022年3月より電動車から安全に給電するマニュアルも国土交通省より出されました。各自動車メーカーも防災に意識した取り組みを始めておられます。
医療用機器を日頃使用している難病患者、家族にとっては災害時の停電には、命を守るために、電動車からの給電はぜひ学びたいことです。
宮地先生からお話いただいた、自助、共助、備えの大切さを再認識し、松本さんの実際に体験された声を教訓にし、災害に対する広い視野、想定を考えて備えていきたいと思いました。
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